「色素増感太陽電池」の開発研究

研究室で作製している色素増感太陽電池の写真

 地表や海に降り注ぐ太陽光エネルギーは、1時間で人類が1年間に消費するエネルギーを全て賄うことができるほど膨大で、太陽光エネルギーをうまく活用できれば、現在世界的に問題となっている「大気中の二酸化炭素濃度の増大」や「地球の温暖化」は、あっという間に解決できるかもしれません。この太陽光のエネルギーを汎用な電気エネルギーに変換するデバイスが太陽電池であり、広く普及が進みつつあります。しかし、現在の太陽電池は製造に大量の電気エネルギーを必要とするため、そのエネルギーの回収には、製造した太陽電池で数年以上も太陽光発電を行う必要があります。このために、より低エネルギーで製造が可能な太陽電池の開発が進められており、次世代の太陽電池として有望視されているのが「色素増感太陽電池」です。
 色素増感太陽電池は、太陽光を吸収する有機色素と、色素が吸収した光エネルギーを電気に変える無機化合物とのハイブリッドデバイスです。私たちの研究室では、有機化合物とも無機化合物とも強い結合を作ることができるケイ素の性質に着目し、有機ケイ素色素によって色素増感太陽電池の高効率・高耐久化を達成するべく、研究を進めています。

物質・環境類
教授 花屋 実
  • K. Kakiage, Y. Aoyama, T. Yano, T. Otsuka, T. Kyomen, M. Unno and M. Hanaya, Chem. Commun. 50, 6379 (2014).
  • K. Kakiage, Y. Aoyama, T. Yano, K. Oya, T. Kyomen and M. Hanaya, Chem. Commun. 51, 6315 (2015).
  • K. Kakiage, Y. Aoyama, T. Yano, K. Oya, J. Fujisawa and M. Hanaya, Chem. Commun. 51, 15894 (2015).
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