分子による構造形成と材料機能の創出

水酸アパタイトナノ繊維構造体

 高分子鎖が作り出すナノ構造およびミクロ形態を成形アプローチにより制御、有機的に組み合わせることで、新たな特性をもつ高分子/繊維材料およびセラミックスの研究を行っています。高分子材料の成長(構造形成)過程に着目し、育て方(過渡的および前駆的構造の制御)によって出発原料のもつポテンシャルを最大限に発揮させることで、高分子/繊維材料およびセラミックスのもつ新たな才能(性質)を引き出し、その可能性を追求します。
 高分子フィルム・繊維材料の成形過程における構造形成挙動の解明に取り組んでいます。熱処理・延伸・繊維化により高分子鎖を制御する(解きほぐす・並べる)ことで、プラスチック製品(フィルム・繊維)の高性能化・高機能化に成功しています。現在は試行錯誤的であるプラスチック製品の製造過程が予測可能なものとなり、結果として製品化におけるコスト削減につながっていくという産業的な可能性にも期待しています。
 また、高分子がもつ構造形成能を利用した有機‐無機変換プロセスによるセラミックスの機能合成は、セラミックスにおける新たな機能創製アプローチとして期待されています。これにより、合成温度の低温化(ソフト化学合成)や形態機能化など、低環境負荷で新たな価値を創製するグリーンプロセッシングを実現することができます。

  • 第72回(2017年度)日本セラミックス協会賞(進歩賞) 受賞
  • M. Kakiage, “Low-temperature synthesis of boride powders by controlling microstructure in precursor using organic compounds”, J. Ceram. Soc. Jpn., 126, 602-608 (2018).
  • M. Kakiage, S. Oda, “Nanofibrous hydroxyapatite composed of nanoparticles fabricated by electrospinning”, Mater. Lett., 248, 114-118 (2019).
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