成分連結反応による新しい高分子合成

多成分連結反応による高分子合成の一例

 多成分連結反応とは、三成分以上の反応基質がワンポットで反応し単一の生成物を与える反応を指します。その反応の複雑さからは想像しにくいですが、有機化学の萌芽段階から存在している古く新しい反応形式です。1850年代には、Streckerアミノ酸合成が発見されました。この反応はアミン、アルデヒド、シアン化物間の三成分連結反応として認識されています。有機化学においては、昔から存在している反応形式ですが、高分子化学に積極的に導入されたのは驚くべきことにごく最近です。このため、高分子合成に有用な多くの反応がいまだ未活用の状態です。以上のような研究背景から、多くある多成分連結反応の中から十分に高分子合成に適用可能な反応群の選定、およびそれに基づく高分子合成を行っています(図)。のみならず、新しく合成するポリマーの高分子材料としての応用研究も行っています。このように、高分子合成反応の新規設計からポリマー材料の創成まで、幅広く研究を展開しています。

覚知 亮平
  • Moldenhauer, F.; Kakuchi, R.; Theato, P., “Synthesis of Polymers via Kabachnik-Fields Polycondensation.” ACS Macro Lett. 2016, 5 (1), 10-13. (highlighted in Synfacts by Prof. Swager at MIT, Swager, T. M.; Fennell, J. F., “Good Things Come in Threes: Kabachnik-Fields Polycondensation.” Synfacts 2016, 12 (03), 0255.)
  • Kakuchi, R.; Theato, P., Efficient Multicomponent Postpolymerization Modification Based on Kabachnik-Fields Reaction. ACS Macro Lett. 2014, 3 (4), 329-332. (highlighted in Synfacts by Prof. Swager at MIT, Swager, T. M.; Sterner, E. S., Poly(α-aminophosphonates) by MCR without Isocyanides. Synfacts 2014, 10 (06), 0592.)
  • Kakuchi, R.*, “Multicomponent reactions in polymer synthesis.” Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53 (1), 46-48.
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