機金属錯体の創製と応用

研究の様子

周期表には100種類ほどの元素が掲載されています。その元素の中で、材料などとして応用利用されているのはごくわずかしかありません。大多数の元素が利用されていない理由の1つは、元素を含む物質の種類が限られている、すなわち多種類の物質を作り出す(合成)手法が確立されていないことです。元素単独では特別な性質を示さなくても、他の元素と組み合わせることで新たな物性を示す潜在能力を秘めた元素はたくさんあると考えられます。我々の研究グループでは、とりわけ遷移金属と典型元素の新たな組み合わせ、その組み合わせ方(結合)に着目し、新しい有機金属錯体の合成手法の開発、得られた錯体の構造や性質について明らかにする研究を行っています。世界で初めての錯体にチャレンジしていますので、前には道はなく後ろに道ができます。研究には困難さを伴いますので、基礎学力を養うことはもちろん大切ですが、研究において最も大切なのは‘諦めないこと’です。確かな目標を見据え、時には来た道を引き返して異なる場所に新しい道を切り拓くことも必要になります。皆さんが夢に描いている将来の理想像はどのようなものでしょうか。夢に向かって、諦めない毎日を積み重ねていってください。

基盤部門
  • Synthesis, Structures, and Reactivity of the Base-Stabilized Silanone Molybdenum Complexes’Dalton Trans. 2014, 43, 16610-16613.
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