たな有機 π 電子系化合物の創製

発光の色が異なる有機化合物

π(パイ)電子

 私たちの身の回りには、繊維、プラスチック、医薬品、液晶材料、半導体など、有機化合物からできたものが多数ありますが、有機化合物の性質や機能の発現において重要な役割を果たしているのは「π(パイ)電子」と呼ばれる電子です。π 電子の挙動を解明し、制御することにより、発色性、発光性、電導性、磁性、センサーなど様々な機能を持つ有機化合物の創製が可能となります。
 

生活に役立つ物質の開発

 我々の研究室では、特に「ヘテロ環」という骨格をもった新たな構造の有機 π 電子系化合物を合成し、その構造と発光特性などの性質の関係を明らかにするといった、どちらかと言うと基礎的な研究を行っています。このような研究の積み重ねが、将来我々の生活で役に立つ物質の開発につながります。未知の有機 π 電子系化合物はたくさんあり、無限の可能性を秘めていると言えます。
 有機化学の魅力は、今までに存在しない化合物をデザインして、いろいろな化学反応を駆使することにより、それを実際に自分で合成できる点です。実際の合成ではいろいろな困難を伴いますが、苦労して目的物ができた時の喜びは何とも言えませんし、また苦労して得た経験は必ず自分自身の貴重な財産となります。

  • Tetraalkoxyphenanthrene-Fused Thiadiazoloquinoxalines: Synthesis, Electronic, Optical, and Electrochemical Properties, and Self-Assembly, S.-i. Kato, K. Watanabe, M. Tamura, M. Ueno, M. Nitani, Y. Ie, Y. Aso, T. Yamanobe, H. Uehara, Y. Nakamura, J. Org. Chem., 82, 3132-3143 (2017).
  • Trithiazolyl-1,3,5-triazines bearing decyloxybenzene moieties: synthesis, photophysical and electrochemical properties, as well as self-assembly behavior, S.-i. Kato, S. Jin, T. Kimura, N. Yoshikawa, D. Nara, K. Imamura, Y. Shiota, K. Yoshizawa, R. Katoono, T. Yamanobe, H. Uehara, Y. Nakamura, Org. Biomol. Chem., 16, 3584-3595 (2018).
  • 2,4,5,7,9,10-Hexaethynylpyrenes: Synthesis, Properties, and Self-assembly, S.-i. Kato, H. Kano, K.-i. Irisawa, N. Yoshikawa, R. Yamamoto, C. Kitamura, D. Nara, T. Yamanobe, H. Uehara, Y. Nakamura, Org. Lett., 20, 7530-7534 (2018).
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