子を引き延ばして強い繊維やフィルムを作る

当研究室で開発した
「超強力釣り糸」

 分子の向きを揃えると、同じ材料でも強度が格段に向上します。コンビニ袋の原料である「ポリエチレン」も、極限まで引き伸ばすと、防弾チョッキや釣り糸に使われている「高強度繊維」になります。
 このように分子が絡まった状態から引き伸ばすことを「延伸」と言い、当研究室はこの延伸技術に関する独自の知見・テクニックを有しています。この延伸技術を使って高強度釣り糸が開発され、大手釣り具メーカーから販売されています。
 これら繊維分野のみならず、無機材料・電機・医療機器・自動車分野の企業や海外の大学・研究所とも共同研究を行い、リチウムイオン電池膜、燃料電池膜(自動車用)、糖尿病センサー(医療機器)、水質浄化膜(フィルター)、義肢クッション(福祉材料)、食品包装フィルム、タイヤ材料、ロボット材料など、社会に貢献する材料を開発しています。
 大学院に進学すると、これら共同研究先とのディスカッションに参加することで、実践的・先進的な研究開発を経験できます。また、学生のアイデアを大切にして、学術論文や特許、国際会議での発表をサポートしています。これらの経験を生かして、卒業生の多くが企業や公的機関の研究所で、様々な材料の開発に活躍しています。

物質・環境類
  • 第43回繊維学会学会賞を受賞
  • 平成29年度高分子学会三菱化学賞を受賞
  • 「桐生発の高強度繊維を」、桐生タイムス第1面、2016年10月26日
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