分子の構造と性質を操る

高分子の延伸パルスNMRシステム

 私たちの身の回りには高分子材料(プラスチック等)がたくさんあります。衣類、鞄はもちろん、スマートフォンや車など、ありとあらゆる所に使われています。高分子材料の利点は軽いという点です。しかし、ただ軽いだけでは性能・機能・外観など、現代の製品としては魅力がありません。例えば、軽くて強いということになれば車の一部として用い、軽量化により燃費の向上に繋がり、最終的に環境問題にも関係してきます。
 教科書で高分子材料を見ると他の有機化合物と同じように構造式が記載されています。しかし、実際に製品として高分子材料を考える場合には構造式だけから読み取ることのできる性質だけでは不十分です。製品になるときには固体状態であり、一つの高分子の周りにはたくさんの他の分子が存在します。高分子は非常に長い分子であるために、固体状態になったときにどのように分子を並べるかによって機能・性能が変わってきます。
 高分子材料の構造を制御するためにはどのような条件、操作が必要か、そして出来上がった構造をどのような手法で解析するかということを研究しています。これにより、汎用高分子材料を使って、より高性能・高機能な材料の開発を目指しています。

物質・環境類
教授 山延 健
  • 桐生タイムス(2007年8月11日)
  • Polymer Morphology,Wiley(2016)
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