分子のタフネス化
空孔構造の可視化を可能にするマルチモード小型延伸装置

空孔構造の可視化を可能にするマルチモード小型延伸装置

 高分子材料の靭性(破壊に対する粘り強さ)に関する研究を行っています。一般に材料内部に空孔が存在すると、材料は脆化します。ところが数10nm程度の小さな空孔(ナノボイド)が存在すると、弾性率は若干低下しますが、破断までの伸びは劇的に上昇することがわかってきました。我々の研究室では幾つかの高分子についてナノボイド形成による延性の向上を見出しており、材料の本質的問題としてこの現象を考えています。しかしながら、なぜナノボイドが延性を向上させるのかについて、未だ充分な理解は得られておらず、我々は特に変形過程でナノボイドや高分子材料がどのようにその形状や性質を変えていくのかについてその過程を可視化する研究を行っています。放射光X線散乱を用いた構造解析や、分子運動性の理解を目的とした動的X線散乱法や粘弾性測定などの手法を用いてこれを明らかにしていく研究を行っています。研究対象として、リチウムイオン電池のセパレータに代表される高分子多孔膜について研究を行っています。靭性化が必要とされる空孔だらけの材料にナノボイドを導入することにより強度の増加を実現させることができました。この研究成果によりリチウムイオン電池のさらなる小型化が期待されます。

  • 内閣府革新的研究開発促進プログラムImPACT(H26~)
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