面の発展現象を記述する非線形偏微分方程式の研究

 結晶の成長や動植物に現れる美しい模様の形成など、物が形を変える様子を微分方程式という数式で記述し、解析する研究を行なっています。数学の研究として、その微分方程式が解を持つかといった根源的な疑問から、形の変化の挙動や最終的に落ち着く形状など、微分方程式が持つ定性的な性質について研究を行っています。近年では数学の研究成果を現象の研究へ還元することにも力を入れており、微分方程式によるコンピューターシミュレーションやその応用などにも力を入れています。
 例えば天井に張り付いた水滴は周囲の水蒸気を吸収して成長します。微分方程式はこの、「周囲の水滴を吸収して成長する」ことを、量の変化を表す微分を用いて記述します。ところで水滴が大きくなってくると、水滴は重力に引っ張られて形が変化し、いずれちぎれて滴り落ちます。このちぎれる瞬間というのは、それまでの形の変化とは大きく異なる、”滑らかでない”形の変化を見せます。この”滑らかでない”動きや形状は、本来の意味での微分方程式とは相入れないものですが、様々な観点から”微分”の意味を少し広げて、この”滑らかでない”挙動や形状を含む現象の解析を行なっています。 とくにこの”微分”の解釈の拡大が今日の様々なコンピューターシミュレーション手法を生み出しており、これらも含めた研究を行なっています。

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