練技術者を学習した集積回路の自動設計

研究の様子

アナログ集積回路設計の例

 集積回路は全ての電子機器に搭載されており,我々の生活を支える重要な技術です。集積回路には外界の情報を電子機器に取り込むためになくてはならないアナログ集積回路という重要な回路があります。このアナログ集積回路は,熟練技術者が多くの時間をかけて「知識・経験・直感」を駆使しながら設計されています。アナログ集積回路設計者の中にはアナログ・グルと呼ばれる天才設計者が世界に数名います。彼らの設計した回路は芸術的とも賞賛され,数十年経った今でも製品に使われていおり,世界中のアナログ集積回路設計者の目標です。私の研究室では長年アナログ集積回路設計に関する研究を続けています。この長年のアナログ集積回路設計のノウハウを計算機に学習させることでアナログ・グルを計算機上に実現することを目指しています。この実現のために,人工知能のアルゴリズムを用いたアナログ集積回路の自動設計の実現に取り組んでいます。この研究過程において,生物の進化過程を模擬した遺伝的アルゴリズムと我々の考案したアルゴリズムを組み合わせることで熟練設計者の「知識・経験」を用いたアナログ集積回路の自動設計に成功しました。現在は熟練設計者の「直感」を実現するために,囲碁の世界チャンピオンを破ったことでも知られている AlphaGo で用いられている人工知能の一つである強化学習をアナログ集積回路の自動設計に適用する研究を続けています。この研究が実現されると,計算機が熟練技術者の「知識・経験・直感」を駆使して人間が思いつかないような集積回路を設計できるようになります。

准教授 高井 伸和
  • K. Suzuki, N. Takai, Y. Sugawara, M. Kato, ”Automatic Design of Operational Amplifier Utilizing both Equation-Based Method and Genetic Algorithm, ” IEICE Trans. on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences, E100-A, No.12, pp. 2750-2757 (Dec. 2017).
  • N. Takai, M. Fukuda, ”Prediction of Element Values of OPAmp for Required Specifications Utilizing Deep Learning, ” IEEE International Symposium on Electronics and Smart Devices 2017, SS2-6, Yogyakarta, Indonesia (Oct. 2017) .
  • 高井 伸和, 新井 直樹, 根岸 孝行, 関 洋明, 加藤 雅人, ”回路ブロックの組み合わせによる演算増幅器の自動設計, ” 電子情報通信学会論文誌, J98-A, No.4, pp. 327-336 (Apr. 2015).
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