焼を利用したクリーンなエネルギー変換

試験燃焼炉内の噴霧火炎の様子

壁面に衝突する軽油火炎の形状

 燃焼は人類が手に入れた熱エネルギーの発生手段であり,熱エネルギーは電力や,自動車,航空機などの動力に変換されて幅広く利用されています.例えばガソリンなどの液体燃料が持っているエネルギーは単位質量当たりで電池よりも二桁大きく,これからも自動車などの燃料として利用されると考えられますが,燃焼する過程で窒素酸化物,粒子状物質など環境や人体に悪影響を及ぼす大気汚染物質も生成されます.また化石燃料の燃焼では二酸化炭素も発生します.そこで,大気汚染物質や二酸化炭素の排出量を抑制するために,高効率でクリーンなエネルギー変換システムの開発が続けられています.
 液体燃料を燃焼させるためには,噴射ノズルを用いて液体を噴霧し,微細な液滴にして燃焼(噴霧燃焼)させることが一般的です.そこで,試験燃焼炉を用いた噴霧燃焼の制御や,燃焼室壁面に衝突する火炎における大気汚染物質の生成挙動に関する研究を行っています.また,エンジンから排出される窒素酸化物を低減するための排ガス再循環(EGR)システムに用いられるEGRクーラの研究も進めています.さらに燃焼排ガス中から窒素酸化物や粒子状物質を除去するための装置の開発にも取り組んでいます.

電子・機械類
  • 科研費基盤研究(C)平成25~27年度「火炎の壁面上におけるクエンチングに伴い生成する燃焼生成物の挙動」
  • T. Furuhata, Siti Nor Ain Musa, Y. Zama, M Arai, Droplet Evaporation and Spray Formation of Urea Solution in High Temperature Atmosphere, 18th Annual Conference on Liquid Atomization and Spray Systems – Asia, paper no.126, Chennai, India, November (2016)
  • 古畑朋彦,阿部佑太郎,座間淑夫,新井雅隆,EGRクーラ内へのPM堆積挙動に関する実験的研究,日本機械学会論文集,Vol.80, No.820, (2014), DOI: 10.1299/transjsme.2014tep036
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