の毛よりも細い流路内の流れの解明

我々のデバイスを用いて駆動した流れ

 近年、微細加工技術の進歩によって、マイクロ・ナノスケールの流路を用いたデバイスが盛んに研究開発されています。平均的な髪の太さ(およそ80マイクロメートル)よりも細い流路が利用され、それとともに溶液を駆動するポンプや混合、分離を行う動力部分の小型化も進められています。これらの研究は、例えば小さなチップにごく微量の試料を与えるだけで血液検査やDNA鑑定などの検査が行えるような技術に応用することが可能です。
 市販されているポンプの多くはモーターを使って圧力差を作ることで流体を送り出していますが、我々は流体に直接電圧を与えて流れを駆動することを試みています。一般的に、溶液中の正負のイオンはお互いをクーロン力によって引き寄せあい、電気的に中性な状態を保っています。そのため電圧を印加しても流体は簡単には流れず、少なくとも数10V以上の高電圧が必要とされています。そこで正負のイオンの通り道を分けることで比較的低い電圧でも流れを駆動可能とするデバイスの開発を行っています。我々の開発したデバイスでは2V程度の電圧で流れを駆動可能であり、原理的にはどのような大きさのデバイスにも応用が可能です。機械駆動のものに比べて振動や騒音を軽減できるため工学的に広く応用されることが期待されます。

  • Ayako Yano, Hiroki Shirai, Moino Imoto, Kentaro Doi and Satoyuki Kawano, Japanese Journal of Applied Physics, 56, 097201, (2017).
  • Ayako YANO, Kentaro DOI, and Satoyuki KAWANO, International Journal of Chemical Engineering and Applications, 6, 254-257, (2015).
  • Kentaro DOI, Ayako YANO, and Satoyuki KAWANO, The Journal of Physical Chemistry B, 119, 228-237, (2014).
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