原子の動きをシミュレーションする
物理学と工学が融合するシミュレーション
コンピュータの性能向上により、かつては非常に高価なスーパーコンピュータが必要とされた複雑な計算がPCでも実施可能になり、現在ではシミュレーションが機械や電子機器の設計にも随分と利用されるようになっています。私たちは、従来は物理学の対象であった原子レベルでのシミュレーションを様々な工学上の現象に適用する研究を行っています。
自然現象の根本は原子の運動状態の変化
微視的には物質は原子の集合体であるとの観点から、私たちは物質中の原子の運動状態を図に示す様にシミュレーションしています。これにより、作動中の機械を構成 する固体・液体・気体の微視的な状態やそれらの高速な変化が統合的に解析できます。最近の機械では高性能化を意図して内部要素の微小化が進んでいるので、実験だけでは解明できない問題が増えています。原子レベルでのシミュレーションはそのような問題に対する解答を与えるものです。