環境調和型社会のための水環境技術
水環境新技術への挑戦
生命の維持のみならず私たちの社会経済活動は大量の安全・安心な水に支えられ、その源となる水環境の保全は不可欠となっています。しかし、真に環境と調和した社会を実現するには、そのためにエネルギーや資源の無制限な使用が許容されるわけではありません。私の研究室では、新奇な環境微生物の機能や化学的・物理的作用を融合して、低炭素社会や資源循環社会の実現にも貢献する革新的な水環境新技術に挑戦しています。
汚染物質がエネルギーへ変貌?!
自然界に多数潜在している生態や機能が未解明な微生物のうち、最近、代謝過程で生じる電子を細胞外へ放出(細胞外電子伝達)可能な微生物群が土壌等に普遍的に存在することがわかりました。これを巧妙に利用すると汚れた水に含まれる有機性汚濁成分の除去と同時に電気が直接発生し、これまで除去の対象でしかなかった汚濁物質がエネルギー資源へと変貌する可能性が得られました。当研究室では、仕組みの工夫や微生物機能の複合化を進めて、湖沼などに富栄養化をもたらす原因物質の除去も可能なことを実証しました。また、この仕組みを応用して、内湾や湖沼で深刻となっている廃質環境を浄化・改善する試みを外部機関とも連携しながら取り組んでいます。