金属ナノ粒子を電気化学デバイスへ応用
金属の微小な粒子であるナノ粒子は、触媒としてはたらく性質を持っています。また、その性質は粒子の大きさや、周囲の環境によって変化します。触媒の利用分野は極めて広く、現代社会に生きる私たちは、自動車用排ガス浄化触媒をはじめとして、多くのナノ粒子を触媒として利用し、快適な生活を送っています。
ナノ粒子を安定して利用するためには、酸化物などの固体上に固定させるか、液体中で安定に存在させる必要があります。私たちはこのように安定化させたナノ粒子を使って、エネルギーに関係するデバイスの研究を行っています。具体的な研究対象は、電気をためるデバイスである電気化学キャパシタや、空気中の酸素を利用する空気電池、新しい水素吸蔵媒体です。ナノ粒子を利用することで耐久性の向上や利用効率の改善を狙っています。ナノ粒子やナノ粒子をくっつけるための炭素材料を作るところから、デバイスを組んでの評価まで、一貫した研究を行うことができるのが私たちの研究室の特徴です。測定するための機器も工夫して自作したものを多く使っています。
物質・環境類
助教 畠山 義清
- 公益財団法人旭硝子財団 自然科学系研究奨励(H29–H30)「金属ナノ粒子とイオン液体の機能協奏を利用した有機ハイドライド開発」
- “Anion and Cation Effects on Size Control of Au Nanoparticles Prepared by Sputter Deposition in Imidazolium-based Ionic Liquids”, Phys. Chem. Chem. Phys., 2016, 18, 2339–2349.
- 科学研究費補助金 若手研究(B)(H27–H28)「ポリエチレングリコールとイオン液体の協奏機能を利用した金ナノ粒子調製法開発」