音速エンジンの安定運転に向けた燃焼振動の検知技術の開発

超音速エンジンと燃焼器内における燃焼振動の発生

 マッハ5で超音速飛行する航空機のエンジンを対象に、高効率・高安定な運転を実現するための研究を実施しています。航空機エンジンにおける燃焼器では、大振幅の圧力変動が生じ、推力変動やエンジンの故障をもたらす「燃焼振動」という現象が問題になっています。「燃焼振動」を避けるため、その発生を検知し、制御する手法の構築が求められています。
 「燃焼振動」の発生を検知するには燃焼器内にセンサを設置するのが効果的ですが、燃焼器は長時間高温・高圧の過酷な条件で運転されるため、その設置は容易ではありません。そこで、本研究では、計測が容易なエンジン出口から出る騒音から燃焼器内部で生じる「燃焼振動」を検出するアプローチを検討しています.エンジン出口から出る騒音には,エンジン排気流と周囲空気との衝突により生じる「ジェット騒音」も生じており、これを避けて燃焼振動の発生を捉える必要があります。AIを活用することにより、「ジェット騒音」を避けつつ燃焼器内の音を捉えるセンサ配置の最適化や、「ジェット騒音」に埋もれても燃焼器内の音を捉えられるモデルの構築を目指しています。

電子・機械類
尾身 興一
助教 尾身 興一
  • Omi, Koichi, et al. “Effects of temperature ratio on combustion instability in a non-premixed hydrogen-rich ram combustor.” International Journal of Hydrogen Energy 49 (2024): 14-22.
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