「遺伝子」という宝探し~機能未知遺伝子の正体を明らかにせよ~

蛍光顕微鏡
(モニターで顕微鏡画面を見ます)

蛍光顕微鏡によるヒト培養細胞で目的のタンパク質を様々な蛍光で光らせた写真

 2003年、ヒトのゲノム(遺伝子)が完全に解読されました。これは人類史に残る偉業です。解読の結果、約2万4千のタンパク質が存在することは分かりましたが、実は機能や役割がわかっているのはその半数にしかすぎません。私たちの研究室では、このような機能未知タンパク質の機能を誰よりも先に見つけ出そうと研究を進めています(二番は意味がない)。しかし、これは一般に非常に難しいことです。例えて言うなら、見たこともない小さなネジを渡されて、車のどの部分に使用されるか設計図なしに探せと言われているようなものです。私たちは、分子生物学・生化学的な実験手法だけでなく、タンパク質の立体構造に基づいた計算科学的な機能予測など様々な手法を駆使して、推理小説のように少しずつ証拠を集めて機能解明へとつなげていきます。これらの中には薬学的・医学的にも有用な遺伝子(タンパク質)がまだ手つかずに眠っていることを考えると、「宝探し」をしていると言ってもいいでしょう。是非、一緒に遺伝子の「宝さがし」をしませんか。

物質・環境類
准教授 行木 信一
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