子がどのように集まっているか」がわかると..

脂質分子の集まりやすさを調べる装置

 我々の周りは生活を便利にする多くの分子で溢れています。しかし,その性質は必ずしも分子の構造式だけでは理解できません。例えば,スマートフォンのガラス表面には指紋等の汚れが付くことを防ぐため,薄~く有機分子がコーティングされています。もちろん,使われる分子は汚れの付着を抑えるように開発されたものですが,ガラス表面上における分子の集まり方や向き(立ち上がっている? or 倒れている?)も機能性に影響します。こういった機能性材料だけでなく,ヒトをはじめとする生物も多種多様な生体分子で構成され,生体内で“分子がどのように集まっているか”がわかると,生命機能のメカニズムの理解につながります。
 分子の大きさは一般的に10億分の1メートル程度のサイズであり,その集まり方を目で見ることは無理ですが,「光」を用いた計測手法によって分子の並び方や向きを知ることができます。こういった技術を使って,生体分子や機能性材料を対象として,分子集合状態と機能性の関係を明らかにする研究を行っています。

物質・環境類
准教授 下赤 卓史
  • ラマン分光スペクトルデータ解析事例集~高分子,電池,電子デバイス,炭素材料,ガラス,医薬品,食品,細胞・組織~ (第5章 第2節 ラマン分光法によるパーフルオロアルキル鎖のねじれ構造解析) 技術情報協会,98−105(2022).
  • Nafion 膜中に存在する束縛水の発見と水和構造の解明,Jasco Report,Vol.57,No.1,1−7(2015).
  • Insights on the Molecular Orientation of Oligo(p-phenylene vinylene) Derivatives with Alkyl Chains in Langmuir Films, J. Phys. Chem. C, 127, 9336−9343 (2023).
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