食べられない植物資源からプラスチックを作る
地球温暖化を防ぐ枠組みとしてH9年に「京都議定書」が採択され、H28年には「パリ協定」が採択されました。そのため、世界中で二酸化炭素(CO2)排出削減・固定化が求められています。既に放出されたCO2を固定化する方法として、光合成によってCO2を植物に固定化し、それをプラスチック(バイオベースプラスチック)へと変換することで長期に渡って身の回りに固定化することが有望な技術です。
これまで私たちは、トウモロコシの芯などの「食べられない植物資源」から生産されているフルフラールという化合物を石油の代わりに使うことで、ペットボトルや衣服の原料であるポリエチレンテレフタレート(PET)、環境中で微生物が分解する生分解性高分子、接着剤などに使われるエポキシ樹脂などのバイオベースプラスチックを開発してきました。現在は、それらのバイオベースプラスチックの実用化に向けた研究を進めると共に、エンジニアリングプラスチックや電子材料部材などの高機能性材料をフルフラールから作るための研究開発を進めています。
物質・環境類
准教授 橘 熊野
- H25〜28年 JST さきがけ(二酸化炭素資源化領域):「フルフラールを出発原料とする汎用高分子モノマーライブラリの構築」
- H28〜31年 JST ALCA(ホワイトバイオテクノロジー):「フラン類の構造特性を利用した高機能性高分子材料の創出」
- H27年3月22日 TBSテレビ 「未来の起源」において橘が解説