生物発光における発光機構解明とその応用
生物発光は、バクテリア、藻、キノコ、魚、イカ、エビ、昆虫などで観測されています。昆虫では、ホタル、鉄道虫、ヒカリコメツキムシなどが光ることで有名です。これらはルシフェリン、アデノシン三リン酸、マグネシウムイオンがルシフェラーゼタンパク質を酵素としてオキシルシフェリンを生成する「ルシフェリンールシフェラーゼ反応」により発光します。中でもホタル生物発光は発光効率がもっとも高い(光生成の量子収率が大きい)、緑から赤まで広い範囲の発光色がある、という特徴を持っています。
また、ホタルのルシフェリンやルシフェラーゼは生体にとって害の少ない物質なので、環境・医療・バイオテクノロジー分野に利用されています、例えば、土壌汚染の検出・食品工場の衛生検査・創薬・生体内の分子イメージングなどに用いられています。
私たちは、理論計算と実験の両面から、生物発光で起きている反応メカニズムの解明とその応用を目指して研究を行っています。
物質・環境類
准教授 樋山 みやび
- “The effect of dynamical fluctuations of hydration structures on the absorption spectra of oxyluciferin anions in an aqueous solution.” Miyabi Hiyama, Motoyuki Shiga, Nobuaki Koga, Osamu Sugino, Hidefumi Akiyama, Yoshifumi Noguchi, Phys. Chem. Chem. Phys., 19, 10028-10035 (2017)