フーリエ解析とその応用
フランスの数学者Joseph Fourier (1768 – 1830) は『すべての周期関数は三角関数の和で表すことができる』と主張しました。周期関数とは、一定の間隔ごとに同じ値を繰り返し取る関数のことです。Fourierのこの主張は一般には正しくないことが証明されてしまいましたが、フーリエ解析と呼ばれるひとつの分野が数学の世界に生まれるきっかけとなりました。現在、この三角関数の和による表現はフーリエ級数と呼ばれています。もともとFourierはこのフーリエ級数を熱の伝わり方を表す偏微分方程式の研究をするために考案しました。その後、この考えを基礎として、フーリエ変換やフーリエ積分作用素などが生み出され、フーリエ解析が発展して来ました。現在では、このフーリエ解析は数学の解析学において重要な理論のひとつとなっており、今でも進化し続けています。そして、その有用性は非常に多く、数学の分野では、代数学における整数論とも深い係わりがあり、さらには、信号処理理論や量子力学など、分野を超えたさまざまなところで幅広く使われています。本研究室では、このフーリエ解析を主軸として、偏微分方程式論やそこから分岐して生まれた擬微分作用素論に関する研究を行っています。