レーダ技術を応用した非破壊検査技術
高齢化問題は人間だけではなく、橋梁、高速道路等インフラ施設にも当てはまり、適切に維持管理することが急務となっています。コンクリートの劣化は主に鉄筋腐食によるひび割れが原因となります。しかし、鉄筋の腐食を非破壊的に正確に評価できる方法はこれまでありませんでした。
そこで、我々はこれまで鉄筋の位置推定にしか用いられていない電磁波レーダを用いて、鉄筋の腐食を評価する世界初の手法を開発し、業界で注目されています。この手法はコンクリート表面から電磁石で内部の鉄筋を振動させ、その振動の大きさを電磁波レーダで測るシステムです。鉄筋が腐食すれば、コンクリートと鉄筋の密着度が低下するため、振動が大きくなることがわかっています。また、この手法を応用してコンクリートの新たな非破壊検査手法の開発を進めています。
これ以外にも、コンクリートに孔を開ける際に用いるコアドリルや、地中開削に用いるパワーショベルのバケットにレーダ用アンテナを一体化させ、前方を探査しながら安全に掘削するレーダシステムの開発やコンクリート内の細径配線を映像化できるフリーハンド型RCレーダ等の開発も行っており、電気・電子・情報・機械・土木等様々な分野の知を集結し、企業との共同研究も通じて「現場で使える技術」の開発を目指しています。