特殊照明で三次元形状を瞬時に計測
近年,ゲームのコントローラや移動ロボット,自動走行車などに距離が計測できるセンサが利用されるようになりました.従来これらの分野では画像センサを利用することが一般的でしたが,距離情報が計測できると対象の三次元的な形状が確実にわかるため,より確実に対象の情報を得る手段として急速に普及しつつあります.しかし,既存のセンサは計測の頻度が一秒間に20から30回程度であり,高速な動きには対応できないという問題がありました.
そこで,この問題を解決するために,当研究室では特殊な照明により光を照射してその投影像から高速に距離が計測できる手法を考案し、この照明を「構造化ライトフィールド」と名付けました。実際にはこの投影光で照らされた物体を別に高速なカメラで撮影し,その画像を計算機で処理することで距離の分布を測定します.このときに,簡単な処理で距離がわかるように設計してあるので,512×512点の距離分布(三次元形状)をわずか1/1000秒で推定することができます.
これによって,人間の素早い動きに反応して滑らかに動くゲームやバーチャルリアリティシステムの実現が期待される他,ロボットや自動走行車がより的確かつ安全に実世界で活動できるようになります。
情報学部

教授 奥 寛雅
- 詳細の解説:
http://okulab.wixsite.com/okulab/structuredlightfield - 群大大学院奥研究室、特殊照明で3次元計測、自動運転車や医療に応用期待,上毛新聞,2016年10月13日
- 群馬大、秒間1000回超の物体計測を実現−車の自動衝突回避などに提案,日刊工業新聞,2016年9月6日